世の中のアイアンの動向と同じく、スペックをあまり変えないゼクシオでも、アイアンのストロングロフト化が進んでいます。
当記事執筆時点のゼクシオアイアンの最新モデルは、11代目のゼクシオ11アイアンとなり、歴代の中で最もストロングロフトのアイアンです。
本記事では、ウェッジのセッティングの視点から、ゼクシオアイアンについて解説します。
目次
ゼクシオアイアンもストロングロフト化
ゼクシオアイアンは、2000年に誕生したダンロップのモデルで、シニアを中心に人気があります。最近ではターゲットゴルファーを広げたモデルが増え、幅広い層で使用されています。
ゼクシオはリニューアルしてもスペックをあまり変えない
ゼクシオアイアンが人気の理由の一つに、軽くて振りやすいことが挙げられまして、各モデルの世代間で基本スペックが殆ど変わらない点も、移行がしやすく長く利用され続けている要因と言えます。
実際に、ゼクシオアイアンの7番のロフト角を見てみると、2004年の3代目から2016年の9代目まで、一度も変わらず30°のままとなっています。
最近は徐々にストロングロフトになっている
ゼクシオアイアンのスペックが変わらないと言っても、ゴルフ界の全体の潮流としては、アイアンのストロングロフト化が急ピッチで進んでいて、ゼクシオもその流れを取り入れるようになりました。
▼ゼクシオアイアンの7番のロフト角の変遷
初代 | 2代目 | 3代目 | 4代目 | 5代目 | 6代目 | 7代目 | 8代目 | 9代目 | 10代目 | 11代目 |
32° | 31° | 30° | 30° | 30° | 30° | 30° | 30° | 30° | 29° | 28° |
ゼクシオ9代目までロフト角が長らく30°でしたが、ゼクシオ10代目は29°、ゼクシオ11代目は28°となっています。
世の中の超ストロングロフトのアイアンは25°、26°というのが増えていますので、ゼクシオとしては徐々に進めているようです。
ウェッジのロフト角のピッチが広がっている
最近のストロングロフト化の台頭には、アイアンに飛距離を求めるゴルファーが増えているという背景があります。
ストロングロフトのアイアンは市場ニーズであるとは言え、メリットばかりではなく、デメリットもいくつかあります。
その1つとしてウェッジへの影響が挙げられます。
ストロングロフト化でロフトを立たせて飛距離を伸ばしたとしても、ウェッジがカバーする飛距離面というのはそうそう変わらず、短い距離を狙い通りに運ぶウェッジは今後も必要とされ続けます。
モデル | 9番 | PW | AW | SW |
9代目 | 39° | 44° | 50° | 56° |
10代目 | 38° | 43° | 49° | 56° |
11代目 | 37° | 42° | 48° | 56° |
アイアンのロフトが立つことにより、9番アイアンのロフトも立ってきます。一方でSWのロフト角は変わりません。
結果として起こるのは、PW、AWのストロングロフト化と、AW・SW間のロフト角の開きです。特にAW・SW間のロフト角の開きは、ゼクシオ9では6°ですが、ゼクシオ10では7°、ゼクシオ11では8°となっています。
100ヤード以下の短い距離を狙い通り運ぶのに、ロフト角が立ち過ぎ、ピッチが開き過ぎることで、クラブのスペックではなく、自分の技量で調整することになります。
上級者に取っては難しくないかもしれませんが、アマチュアゴルファーに取って、飛距離を調節して打つというのは難易度が高いショットとなります。
ゼクシオアイアンを使う際のウェッジの選び方
注意したいのはロフトが立っているゼクシオ10代目・11代目です。特に11代目はAWとSWの間が8°となっていて大きく開いています。
クラブセッティングとしては、セットは~PWまでとして、それ以降のウェッジはゼクシオ以外のモデルで揃えてみると、距離の出し方が楽になると思います。
人によっては、クラブを同じシリーズで揃えたいという方もいると思います。その場合、ロフト角の開きが抑えられている9代目以前で検討するのがおすすめです。
ゼクシオ8、ゼクシオ9辺りは、最近のモデルと性能がそう大きく変わらないという声もあり、数世代前のモデルのためコスパも抜群に優れています。特に8代目のアイアンは振りやすい設計になっていますので、今尚、人気があるモデルです。